ファインダーの向こう側

何も言えずにいたあたしに、気にした風でもなく、とーやは笑った。


「良かった。気に入ってくれたみたいで」


すごく迷ったんだよ―。ホントは生キャラメルとかチョコとかの方がいいかな~とか、あっ動物園も行ったんだけどね、そこにあったぬいぐるみも可愛くて。
俺が見たもの全部あざみにあげたかったんだけど、でも一杯もらってもきっとあざみは困るだろうなって。


「いつか、あざみも一緒に行こうね」


とろけるように笑った、とーやはきらきらしていて、きれい過ぎるとあたしは思った。

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