ファインダーの向こう側
もうひとりは、きみちゃんだ。

あたしに傷だらけのポラロイドを譲ってくれた人。

ママの10才年下の弟だ。

ママやおばあちゃんは、遅くにできた子どもで甘やかし過ぎたから、ダメになっちゃった、なんて言うけど。

あたしはすごく大切だった。


ボサボサの髪の下に隠された優しい色の瞳も、繊細な芸術家の細い指も好き。

そして、きみちゃんが撮る優しい色の写真が大好きだった。
< 4 / 39 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop