ファインダーの向こう側
それは、あたしの世界の終わりのようであり、見たことも無かった世界への入り口でもあった。

ファインダー越しの正方形に切り取られた、世界は。

どこかぼんやりと、レトロに世界を彩っていた。

オレンジの色に光り輝く、ノスタルジックな色。


今まで、汚い汚い。そう感じていたあたしの価値観を崩壊させるには、十分すぎる衝撃だったのだ。

少なくとも、当時12歳のあたしにとっては。


それは、世界の始まりであり、あたしの終わりにも似ていた。
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