ファインダーの向こう側
あたしは、そんなとーやが嫌いじゃなかった。

でも、とーやがなんでこんなあたしに構ってくるのか、理解できずにいた。


近づかないで、ねぇ。とーや。


あたしなんかの近くにいたら、とーやまで汚くなっちゃうよ。



とーやと、SX-70はあたしの唯一の聖域なのに。



あたしとはかけ離れた世界で生きていて欲しいのに。



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