人を好きになるって罪ですか?
数学ってイヤんなる。
眠くなるし、分かんないし…。
 「次、教科書の問題解け。」
…先生…そんなこと言われても…ゴメン、
私には無理だ。
誰か~ヘルプミー…。
 
 「終わった?」
冬夜が、私のノートを覗き込みながら聞いてくる。
 「あっ、やっ…終わってないケド…。」
 「おっせーの。」
冬夜がバカにしてきたけど…
フン。別にいいもん。
 「そんなこと言うならさ~、教えてくれてもよくない?分かんないんだもん。」
 「あんな~、まずそこはこうだろ。」
 「っえ?」
案外簡単に教えてくれた。
 「違う、そこは-Xだろ。」
 「あぁそっかー、そうなんだ。ありがと冬夜、分かったよ。」
 「おぉ。」
気がつけば素直な自分がいた。
ちゃんと冬夜に‘ありがと’って言えた。
ずっーと前から言いたくても言えなかった言葉が。
 
でも以外だった。
冬夜が私なんかに勉強教えてくれるなんて。
 
やっぱり席替えって最高だ。
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