人を好きになるって罪ですか?
  
だってね、めちゃくちゃ心配そうな顔してるんだもん。
たいしたこと無いのに。
リンには悪い癖があるから。 説明が大げさっていう。
そんなリンに言われたのだ、泉だってこんな顔になるだろうね。
        
「と…十萌、大丈夫なのか??」
「なーに、心配要らないって! 私、体力には自信あるの。」
「そっか…、それなら安心だな。」
泉の温かさに触れた気がした。
泉はここまで私を、想ってくれているんだ。
     
「うん。 …えっとさぁー、その…う~と……」
「何??」
「泉…ありがと」
「えっ?」
「だから、心配してくれてありがと…」
言って直後、泉の返事も聞かずその場から立ち去っていた。
恥ずかしくて、自分が自分じゃないみたいだ。
    
普段強がりの十萌にとって、‘ありがとう’って言葉は言うのにとても苦労するのだ。
          
         
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