傷を分け合って
二人の傷
私達はそのままユーキの家に転がり込み、シャワーを借りて砂だらけの身体を洗い流した。
身体中が真っ赤になるまでボディーソープをたくさんつけて何回も洗った。
しばらくして、浴室から出ると、アキナが用意してくれていた着替えに袖を通した。
脱衣所の扉を開けると、ユーキが一人で座って手の傷を消毒していた。
『お風呂、ありがとう…。』
『うん。』
『手…痛い…?』
『…こんなもん。たいしたことねぇよ。』
『…。ごめ…ん…ね。わたしのせいで…。』
私は泣きながらユーキの手を掴み、続きの手当をした。
『お前のせいじゃないだろ…。』
大きなユーキの手が、私を包み込んだ。
泣きじゃくる私の頭を、ずっと撫でていてくれた。