傷を分け合って



私は気が付くと、ユーキの温かい胸の中で眠りについていた。



ソファーにはアキナが寝ていて、気が付いたら私はユーキのベッドでユーキに抱きしめてもらったまま寝てたみたいだった。


『少しは落ち着いたか?』

いつの間にか着替えやら何やら支度を終えて出勤するところだった。

『まだ、少し身体が震えてる。』

『そうか…。俺、これから仕事なんだ。7時前には帰って来るから、二人でおとなしく待ってろ。』

『うん。いってらっしゃい。』

精一杯笑顔を作って見送ったつもりだったのに、ユーキは私を抱きしめた。

『無理に笑ったりしなくていい。辛かったら正直に辛いって言え。』


今の私には、その優しさが一番の支えだった。




リビングに戻るとアキナが目を覚ましていた。

私は勝手にユーキのキッチンをあさり、コーヒーを入れると、昨日の事をアキナに全て話した。


ユーキに伝えようとしてた事も、全部。



アキナはずっと黙って聞いてくれて、時折言葉がつまる私の背中をポンポンと叩いて落ち着かせてくれた。
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