傷を分け合って


次の日、私はユーキが仕事に行ってる間に荷物を取りに一旦家に帰った。


あれ以来、私は初めて独りになった。




そして悪夢の始まりは突然やって来る・・・。


とてつもない不安が私を襲い、吐き気が止まらない…。

恐い…。独りが恐い…。



ユーキ・・・

助けてユーキ!!

恐い!!

恐い!!





・・・私、一体何してるの!?


気が付くと、私の左手首に切り傷と、ドクドク溢れる血液・・・。

右手にはカッターが握られていた。


私は自分が恐くなって、アキナに電話をした。

アキナは状況をよく把握できないようだったけど、急いで来てくれた。


『里奈っ!?しっかりして!!』

アキナは腕を押さえて私を引っ張ってタクシーに乗せると、近くの病院に運んだ。


目が覚めると、お母さんとお父さん、アキナが私を囲うように座っていた。


『里奈…。どうしてそんな酷い事されたのに言ってくれないの…。』

お母さんが私の手を握りながら泣いていた。

『里奈、ごめん。アキナが言ったの。』

『ううん、いいの。ありがとう・・・。』



『里奈っ!!』

息を切らしたユーキが病室に入って来た。
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