傷を分け合って



私は先生にリストカットが止められない事も、夜眠れない事も全て話した。


『…だから、学校に行ける状態じゃない。』

『そっか。』


先生は話を聞き終わると、ただ、ニコッと笑って『また明日来るからな』とだけ言い残し、帰って行った。


夜になってユーキが来ると、今日は珍しくアキナも一緒にうちでご飯を食べて行く事になった。

いつもなら喉を通らない食事が、何故か今日は少しだけ食べる事が出来た。


『じゃ、また明日ね。』

『うん。また明日』

『気をつけて帰れよ!』

『おぅ!ありがとっ』


アキナが帰って部屋の中が、少し静かになる。


ユーキに今日の出来事を報告したりしながら、今日もゆっくり二人の時間を過ごす。


眠れない夜が始まるまでの、僅かなひととき。


今の私には一番安らげる時間。


つくづく私はユーキが好きなんだって実感する。
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