傷を分け合って
ユーキの声が聞こえて
ゆっくりと
暗くなっていって
ゆっくりと
周りの音も小さくなっていった。
きっと・・・
ゆっくり遠ざかる意識が
消える頃に
私の命も
赤ん坊の命も
朽ちるんだろうな。
次第に空気を吸う事すら
難しくなる。
ユーキに好きって言いたかった。
ユーキに手を握って欲しかった。
ユーキと
またデートしたかったな・・・
遠ざかる意識の中で
私は誰かの温もりに包まれた気がした。
居心地のいい胸。
聞き慣れた心臓の音。
私の好きな声で
叫ぶように何度も呼ばれる名前・・・。
…ユーキ。
私はユーキの腕の中で
意識を切り離した。
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