傷を分け合って
席に戻ると、相変わらずリョウタは私が座っていた場所の隣に座ってる。




…あんな事言われたら、何話していいかわかんなくなるじゃん。

ユイの一言が、気になって仕方なかった。


酔ったリョウタが私にへばり付いてくる。

『里奈ちゃぁ〜ん。だっこぉ〜』


『ちょっと!やめてよ〜』


『里奈ちゃん、リョウタに完璧気に入られたね笑』


『笑い事じゃな〜い!』


なんて言いながら空気を壊さぬように、精一杯の努力をする。



あー、もうっ!
早く帰りたい・・・。
まだ8時か・・・。



そうこうしているうちに、時間も9時半。


『ユイ。私、そろそろ時間だから。』


『えー?もうそんな時間〜?・・・そっかぁ。』


『送ってこうか?』




・・・気のせい?

一瞬タツミがニヤリと笑みを浮かべた気がした・・・。

どうしようもない不安に、私はユイに一緒に帰ろうと誘った。


『ん〜。ユイはまだいる〜。里奈はタツミくんに送ってもらいなよ☆タツミくんなら安心だし!』


ユイの“安心”と言う言葉を信じて私はタツミの車に乗り混んだ・・・ー−。
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