竜の国

10




暴れていた少年が

腕の中でおとなしくなった。



伝わるといい。



この気持ちが腕をつたって。



「・・だって・・

俺たちは禁忌なんだろ・・

生まれてきちゃ

いけなかったんだろ・・」



震える声。



あたしにしか

聞こえないくらいの

小さな小さなつぶやき。



抱きしめる力を少し強める。




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