Special X’mas



明日は、恭牙と迎える初めてのクリスマス。


私は、机の引き出しから綺麗にラッピングされた小さな箱を取り出した。


その箱のリボンは、まるで「開けて開けて!」というようにいい感じに緩んでいる。


これは………恭牙へのクリスマスプレゼント。


一週間ほど前にショッピングモールで見つけたとびっきりの品。


少々値ははったものの、恭牙の喜ぶ顔はそれとは比べ物にならないぐらい価値がある。


一目見た時に、これだっ!っと決めた。

ブルーの透き通った石のついたピアス………。


本物の宝石……なんて買えるわけもなかった。


本当は、もっといい物を買おうとしたんだけど、お金がなくて…。


だから、せめて少しでも…っと思ってバイトをしようとしたのに、恭牙が猛反対したんだ。


だから、いいものを買えるわけもなく、今までの貯金をはたいて購入。


明日のデートで1番ロマンチックな所で渡す……予定。


だけど、このままの気持ちでプレゼント渡せるかな………。


この日、疲れていた私は恭牙にあげるプレゼントを枕元に置いて、すぐに夢の中へと誘われた。



完全に眠りに落ちる前に、「メリークリスマス」という恭牙の声が聞こえたような気がした。




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