Special X’mas



もう何度も乗った車。

そんな車の心地よい揺れと、冬にもかかわらず、優しい夕日が照らしてくれたおかげで、だんだんうとうととしてきて………重たい瞼をゆっくりと閉じた。





―――――――――――


――――――――


―――――


――




「…み、愛美……起きろよ」



「ん…」



いつの間にか閉じていた瞼を開くと、そこには恭牙の顔。

真っ暗になった周囲が、恭牙の瞳を輝かせていた。


「着いたから」


そう言って、シートベルトを外すと恭牙は車から降りた。

そんな恭牙に続けて車から降りると………


「わぁ……、綺麗」



色とりどりに輝く電球に身と包んだツリーが堂々と立っていた。

周りには、やっぱりカップルの姿。

ここって、有名なスポットなのかな……?


そんな事を考えながら、一番てっぺんで自慢げに輝く星を見上げた。

あぁ……、この星……亜紀さんみたい。


そうすると……周りの小さな電球が私かな?


だって……輝きが違いすぎるんだもん。



< 14 / 36 >

この作品をシェア

pagetop