Special X’mas
メニューはなんだか難しくてよくわからなかったけど、ここは完全予約制らしくて、次々と暖かくておいしい料理が運ばれてきた。
恭牙は、さすが男って感じですぐに食べ終わってはまだ食べている私を見て……嬉しそうに笑う。
その繰り返し。
恭牙が見ている…そう思ったら、いつもみたいに食べれるわけもなく、なるべくおしとやかに…おしとやかに……そう思いながら食べ物を口に運んだ。
コース料理が終わった事には、私のお腹はいっぱいいっぱい。
余裕そうな表情をしてコーヒーを飲む恭牙を横目で見ながら、「ふぅ~」と力を抜いた。
そんな私を知ってか知らずか、
「よしっ、出るか」
まだゆっくりしていたかった……なんて言えない。
だって、今日の恭牙はなんだか凄く焦っている気がしたから……。
「ありがとうどざいました」
店員さんの声を後ろにお店から出ると、目の前を白いものがふわふわと落ちてきた。
これって………
「雪…?」
「みたいだなー、通りで寒いと思った」
「わぁぁ、ホワイトクリスマスだぁ~…」
ひらひらと花びらのように落ちてくる雪は、汚れを知らないほど純粋だった。
「まるで愛美みたいだな」
恭牙は、なにか呟いていたけど私の耳には届かなかった。