Special X’mas



突然私の名前を呼ぶ声がした。


―――誰?


そう思って振り返ると………


「あき…さん?」



昨日よりもっとオシャレをした亜紀さんが立っていた。


亜紀さん、いい人そうだけど今1番会いたくない人………。



「あら、偶然。……あれ?恭牙は?…電話はさっき切った筈なのに…」


ボソッっとそう呟いた亜紀さんの言葉の、何かが引っかかった。


「え…?電話って…」


「あっ、ゴメンね。独り言よ。気にしないで」


一見、嘘なんか付いていないように見える亜紀さん。


でも……明らかにさっき電話って言った。


って事は、電話の相手って亜紀さん……だったの?



「じゃあ、今夜は楽しんでね」


亜紀さんは、私の手を取ってぎゅっと握ると、少し微笑んで見せた。


だけど……その笑顔が少し寂しそうに見えたのは、私だけかな?




< 20 / 36 >

この作品をシェア

pagetop