Special X’mas
君
「わぁぁぁぁぁ…」
重たい雰囲気を隠しながらも、恭牙に手を引かれてやってきたのは、ホテルの一室。
ふかふかのベッドがあって、奥の窓からは綺麗にきらめく幻想的な夜景が見える。
やっぱり、ネオンや人工的な光よりも断然綺麗……。
「恭牙~!凄いねっ、綺麗……」
ふかふかのベッドでピョンピョンと跳ねながら、恭牙の顔を見る。
「お前…子供みたいだな」
いつも恭牙から言われるその言葉。
いつもは嬉しいけど、今は全然嬉しくなんかない。
「…子供なんかじゃないよ」
ベッドのスプリングが跳ねるのをやめた私の体を、なおも跳ねさせる。
急にしゅんとなった私を不審に思ったのか
「どうした?」
恭牙が私の両手を握る。
「ううん。なんでもないよっ」
この胸の中にある気持ちを悟られちゃいけない。
恭牙を安心させようと笑った。
なのに…
「嘘だ、愛美……なんか変だぞ?」
やっぱり恭牙は、何でもお見通し…………。
「なんでもないってば」
握られた手を振りほどいて、泣きそうな気持ちを押さえ込む。
だけど恭牙は、私が今1番言われたくない事を、いとも簡単に言ってのけた。
「だからお前は子供なんだって……」