Special X’mas
「落ち着けって…。どうしたんだよ」
なだめる様な恭牙の声も、私の気持ちを逆撫でした。
頑丈な胸を、思いっきり叩いてなんとかこの腕の中から抜け出そうとするけど、やっぱりそれは無駄な事。
そんなの私にだって、わかりきっていた。
だけど、この感情を誰かにぶつけてしまわないと壊れちゃいそうだよ………。
「だって……恭牙っは、亜紀さんが」
「亜紀が…?」
「亜紀さんが好きなんでしょっ!?」
一度口にしてしまった気持ちは、留まる事を知らずに吐き出された。
「だって…恭牙は亜紀さんとエッチしてるのに、私にはしてくれないじゃん」
「おま」
「電話だって、私とのデート中に何度もして……。それに最近用事があるって言っては遊ばなかったし…、プレゼントだって、嬉しそうに貰ってたじゃん」
気付けば、涙が目から零れ落ちていた。
涙も、言葉も、すべて吐き出した。
「だからっ…、恭牙は私のこと…好きじゃないんだっって……きゃ」
最後まで言い終えたとき、恭牙が私を強く抱きしめた。
それこそ、骨が軋む様に激しく……。