Special X’mas
「恭…、牙」
やっぱり堂々と出て行くのは恥ずかしくて、なるべく恭牙と目をあわさないように…下をむいて、恭牙も元へ歩み寄った。
恭牙がどんな表情をしているのかわからなかったけど
「俺…入ってくる」
そういってお風呂へむかった恭牙の背中は、なんだか男っぽく見えた。
恭牙がいない間どうしよう………なんて考えていたけど、その心配は無用ですぐに上がってきてしまった。
怖い気持ちや、何故だか後ろめたい気持ちなんかが織り交ざって複雑な気分。
だけど、やっと…望んでいた事が叶うんだ。
ゆっくりと近づいてくる恭牙は、目の前で足を止めると私の顔に影を落した。
背の高い恭牙に合わせようと、背伸びしてしたキス。
いつもない独特な雰囲気が私達の気持ちを、いつも以上に加速させた。
一歩ずつ大人になっていく…。
「優しくするから………」
そういった恭牙の、熱を持った瞳が私の心臓をぎゅっと鷲掴みにする。