君の紅が好き
部屋へ戻る途中、廊下が騒がしく感じた艶は台所へ戻った。

台所に近づくつれて怒鳴り声が艶の耳に入った。

台所に戻り着いた艶の目には

正座をしてしきりに謝る華代がいた。

『我々は白米の柔炊きと言ったではないか!!
 
 何故玄米に変えたのだ!!!
 
 しかも堅炊きではないか!!!』


『すみません・・・。

 しかし、最近の御膳は白米の柔炊きばかりで

 栄養価が足りないのではないかと・・・。』


『家光殿は今、体調をお崩しになってるのは言っておいたよな。』


『はい。』

艶は驚いた。そして、

―知ってたんだ・・・。

と心の中で思った。


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