雨宿り
 
図星だった。


口にこそ出さないけど、わたしがいつも思っていることだった。
だからこそ、それを口にした小次郎が許せなかった。

「疲れてなんかいないから」

わたしは小次郎の目も見ずにそう言うと、自転車にかけた小次郎の手を振り切った。



次の日からそこでお弁当を食べるのをやめた。
小次郎がそこにいるのはわかっていたけど、脇目もふらず、自転車のスピードを上げた。


 
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