先生、あなたに逢えて幸せでした


要に気持ちは伝えない。

要の人生を狂わせたくない。


あいつには卒業後に留学して建築の事を学び成功して欲しい。



せめて、一つだけ我が儘を言ってもいいだろうか?


神様は許してくれるだろうか?




俺は少し勇気をだし、要を夕食に誘った。


最初で最後の要との食事。

だけど、要に言われ気付いた。



確かに俺と二人きりはマズイ。



誰かに見られたら、俺は大丈夫だが要はマズイ。



せっかく合格した選考は確実に消される。




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