先生、あなたに逢えて幸せでした


『由佳 手!』


私が鞄を肩にかけ歩きだそうとしたら健太が手を差し出した。



『教室だよ?恥ずかしいよ…』



『いいんだよ!やっと付き合えたんだから早く実感したい』



よく、そんな恥ずかしい言葉が出るな…

こっちが恥ずかしくなる。


『ん!でも明日からは学校出てからにしてね?恥ずかしいよ』



『わかった。んじゃ帰ろうぜ』



クラスの皆に冷やかされて教室を後にした。



下駄箱までの距離がいつもより長く感じ、回りから注目されている気がしてたまらなかった。



下駄箱から自転車置場まで固く握り合う手が嬉しい。





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