先生、あなたに逢えて幸せでした
先生side
あの日、球技大会で由佳に酷い事を言ってから俺が考えるのは由佳の事ばかりだ。
まるで由佳が俺に呪いをかけたみたいに脳裏からあいつが離れない。
一度だけ交わした唇の感触ですら今でも鮮明に俺の体が覚えてる。
いつもは長い夏休みですら俺には一瞬の様に過ぎ、もう二学期が始まろうとしていた。
あの日から顔を合わす事すらなかったが、由佳のクラスの社会科担当だから確実に由佳とは顔を合わす事になる。
今日は二学期入って初めての由佳のクラスで授業だ。俺は動揺する気持ちを抑え僅かに震える指先で建築科のクラスの扉を開けた。
俺が教室に入って出席確認をする時ですら由佳は一度足りとも俺を見なかった。
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