先生、あなたに逢えて幸せでした
廊下は帰宅するために行き交う生徒達の声が煩くて教室内で話す由佳と栗原の声は聞き取れない。
栗原が由佳を席から立たせ何か言っている姿が俺の居る廊下からでも伺える。
暫くすると、俺は目には栗原が由佳を抱きしめるシーンが見えた。
そして先程まで下に下がっていた由佳の両手が上がり栗原の背中を抱きしめる姿まで見てしまった。
あの日俺とのキスの最中に必死に俺にしがみつき抱きしめてくれた由佳の腕の中には今は俺ではなく栗原が居る。
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