先生、あなたに逢えて幸せでした


「要を保健室へ連れて行く。おまえらは自習しててくれ。すぐ戻る」


先生が意識の無い私を抱き上げる。


『伊室 俺が運ぶ』


健太が先生に言う。


「授業中に生徒に運ばす訳にはいかない。教師の俺が運ぶ」


そう言い残し先生は教室を出た。


教室内はザワザワしてる。「びっくりした〜!由佳大丈夫か?」
みんな席に着き心配する。

ただ一人、健太だけ考え込む。


(伊室の奴、要じゃなく由佳って呼んだ…。いつもは要なのに。なんだ?胸騒ぎがする)


『悪い!剛!俺、保健室見てくるわ。あの様子じゃ6限目無理そうだし。鞄届けるわ』


「あいよ。愛しい彼女が倒れたら心配だわな!」


『うるせーよ。伊室帰ってきたら適当に言っておいて』


そう言って健太は教室を飛び出した。



< 326 / 428 >

この作品をシェア

pagetop