先生、あなたに逢えて幸せでした


「由佳は何もしなくていい…。俺が、俺が栗原から由佳を奪うから…」


先生は言い終わると私の体に優しく抱きしめた。


背中に回される腕は心地よく私を安心させる。


随分前に抱きしめられたあの日を思い出す。



『なんで…。なんでもっと早く先生の気持ちに気付けなかったんだろ…。』


「それは俺が必死に気持ちを隠してたからだ。でもやっと言えた。由佳 お前を愛してる…」


先生は私の額にキスを落とした。


「あと、美咲とはきちんと別れてるから。だから、覚悟して必ず由佳を手に入れる」


そう言った先生は不適な笑みを私に向け更に強く抱きしめてきた。



< 351 / 428 >

この作品をシェア

pagetop