先生、あなたに逢えて幸せでした


車に乗り込む際に後部座席に目を向けた。


(やっぱりない…。ハート形のクッション)


「由佳?どした?後部座席睨みつけて」


陽介は不思議そうに私に言う。


『昔、噂で陽介の車の後部座席には彼女のクッションが入ってるって聞いたから…』


「バーカ。あのクッションは初めて由佳とキスした日に捨てたよ。俺には由佳さえ居れば何もいらない。他の女なんてどうでもいい」


『…ごめん。変な事聞いて』


「いいよ!それよりどうする?ちょっと寒いけど良い天気だし…」


『私人込みには行きたくない。せっかく陽介と二人なんだし手を繋いで散歩したい。ゆっくり、まったり』

「了解。んじゃちょっと広い公園でも行くか」


そう言うと陽介は公園に車を走らせた。


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―――――



30分ぐらい走らせ陽介はサイクリングも出来て小動物園もある公園に連れてきてくれた。


さすが平日。散歩してる人達は結構年配の人達。


あとは小さい子供を連れたママさん達。


これなら人目を気にせず二人で散歩出来る。


車を降りた私達は指をお互い絡めてサイクリングコースを歩きだした。



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