先生、あなたに逢えて幸せでした


『なぁ。由佳』


『…ん?』


私も視線を健太に向け自然と見つめ合った。


『明日からは別の道歩くけど今まで通りにしような?

急に話さないとか無し!今まで通りみたいに仲いいクラスメイトに戻ろう。
俺からのお願い』



最後の最後まで健太は私の事を優先させる。


私からじゃ言えない言葉を言って私を安心させてくれる。


『ん。私からもお願いします。
これからも仲良くして下さい』


溢れそうになる涙を必死に堪える。


今泣きたいのは私じゃなく健太だろうから。


いつもいつも健太は自分より私を優先させるから。


『あぁ!明日からは一緒に頑張って建築士目指そうな!』


そう言って健太は微笑んだ。




しばらく沈黙が流れて健太が口を開いた。


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