先生、あなたに逢えて幸せでした


「言えないってどういう事だ?由佳だけの責任じゃないだろ?健太君なのか?」


『健太とは一年前に別れてる』


「じゃ誰なんだ?まさか遊びの男じゃないだろうな?」


『違うよ。私が一生懸命愛した人だよ』


「だから、誰なんだ?その相手を連れて来なさい」


『誰かは言えない』


「由佳。子供を産むのは遊びじゃない。産んで育てるのは並大抵の事じゃない。ましてや相手は言えないって…。妻子ある人なのか?」


『違うよ。独身の男性だよ』


「だったら問題ないだろう?男の方は遊びだったのか?」


『ううん。私が留学から帰ってきたら結婚しようって言ってくれて婚約指輪までくれたよ』


「だったら尚更問題ないだろ。時期が早くなるだけだ」


『私がこのままあの人の側に居たら私も赤ちゃんもあの人も三人共殺される』


「由佳。殺されるって誰に?」


私はこの間あった美咲さんの話しを全て話した。
話しを聞いている両親の顔色はどんどん蒼白していく。


このご時世色んな事件が起こっている。
ストーカーが殺人なんて珍しくない。



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