先生、あなたに逢えて幸せでした


『お父さん、お母さん本当にありがとう。馬鹿な娘でごめんね』


この時程、両親の愛情を感じた事はなかった。


今まで口を開かなかった母が初めて話した。


「孫かぁ…。もちろん嬉しいけど由佳のウエディングドレス姿見たかったな…」


この言葉で涙が溢れた。
そういえば母は小さい頃から言ってた。
自分達は貧乏だったから着れなかった。だから娘には必ず着せる。


『お母さんごめんね。本当にごめんね』


「いいのよ。元気な子供産みなさい。それが親孝行よ」


『ありがとう。お父さん。お母さん。ごめんね』


「残り三週間学校にも回りにもばれない様にね。体も気をつけて」


『はい。私の我が儘聞いてくれてありがとう』


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両親も協力してこの子を育ててくれると言ってくれた。


私も両親みたいな大きい愛情でこの子を愛したい。


学校の方は直ぐに期末テスト期間に入った。


私の最後のテスト。


自分の為にも全力を出し受けた。
結果はオール満点。
学年で断トツ一位になれた。


陽介はサッカー部の冬選抜で忙しいみたいで帰りも遅いみたい。



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