先生、あなたに逢えて幸せでした


廊下に歩いてる他所の人にお願いして写真を撮って貰う事にした。


誰ひとり欠けたらダメ。


「ほら、由佳と健太は真ん中だろ」


そう言われて素直に真ん中に座らせて貰う。


皆で肩を組んで一枚撮る。

皆で好きなポーズで一枚撮る。


私の宝物が一つ増えた。


『ありがとう!大切にするわ』


皆が用意をして帰り始める。


「由佳始業式遅れるなよ!おまえいつも始業式遅刻ぎりぎりだろ?」


『はーい!1番に来てあげるわ!んじゃね!』


涙が出そうだったから私は急いで教室を出た。


健太に何か聞かれたらバレる。


玄関口で健太に捕まってしまった。


『由佳自転車置場まで一緒に帰ろう』


『うん。どう?勉強。大学受かりそう?』


『なんとか受かりそう。それより由佳なんか隠してない?』


『ん?何を?隠し事なんかないよ!健太には建築家になってほしいわ』


『俺は必ずなるよ。絶対!』


『うん。頑張ろうね!んじゃまた来年ね!良いお年を!』


『おう!じゃーな!』


私達は校門を出た。


私は校舎を振り返って見納めした。


その後に健太の後ろ姿を見つめた。



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