先生、あなたに逢えて幸せでした


今日は両親に帰らないと伝えてある。


お腹の子供のパパにさよならすると話しただけ。


父も母も何も言わず家を出してくれた。


『陽介明日朝早いんだよね?』


「明日は5時に学校集合だ」


『私も夜中に家帰るよ。親居るし』


「んじゃ夜中家まで送る」


陽介はそういうと私をベッドへと優しく沈めた。


これが最後だと思うと涙が零れた。


この温かい体温も優しく私を抱く腕も私の体に惜しみなくキスする唇も最愛の人の声も今日で最後。


でも私は強く生きたい。


私のお腹には愛する陽介の子供が宿ってる。


私が離れるのを我慢すれば子供と陽介を守れる。


『陽介…。陽介…。大好き。陽介 愛してる…』


「俺も愛してるよ。由佳」


最後に陽介からの愛してると聞けて私は陽介の腕の中で眠りに落ちた。



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