先生、あなたに逢えて幸せでした


『伊室はずっと由佳を捜してたよ…。
あいつは由佳を本気で愛してたんだな』


『……私が突然何も言わずに陽介の前から姿を消したのはその女の人が原因なんだ』


『どういう事だ?』


『脅されたの。別れなかったら陽介殺すって。もちろん私も殺すって。だから私陽介とお腹の赤ちゃん守る為に両親の転勤についていって北海道で愛佳産んだの。私のせいで陽介と赤ちゃんに何か合ったら私が堪えられないと思って。


でも……私は陽介を守れなかった。
陽介は殺された……。』


『……………由佳。』


健太は私の名前を呼んでから何も言わず私を見てた。

『陽介はこの世には居ないけど私には愛佳が居る。
私の命より大切な愛娘が居るから私は強く生きなくちゃいけない』


『由佳一度伊室の墓行くか?俺伊室の命日になると必ず墓参り行くんだ』


『なんで毎年墓参り行くの?』


『伊室は俺から俺の1番愛した女奪ったから愚痴言いにさ』



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