先生、あなたに逢えて幸せでした
―――――土曜日
暖かい春の陽射しがリビングに降り注ぐ。
午前10時ぴったりインターホンが鳴る。
私と愛佳は玄関を出て迎えに来てくれた健太の車の後部座席に乗り込んだ。
『おはよう。健太。』
『おう!愛佳ちゃんおはよう』
「健太君おはよう」
愛佳は初めて乗る車にキョロキョロしてる。
『健太いい車乗ってるじゃん。これアルファードの中で1番高いグレードだよね?』
『由佳車詳しいの?』
『詳しいって程じゃないけど』
『俺大学行っても好きな女出来なくて時給のいいバイトしまくって大学中に500万貯めてさ就職と同時にこの車買ったの』
『健太あんたすごいね。てか、健太誰とも付き合ってないの?』
『俺が愛した女は最初で最後。由佳だけだ。
よし、着いたぞ』
健太の声で回りを見たらいつの間にか墓地に来てた。
私は愛佳と手を繋ぎ健太の後を歩いた。
健太の後ろ姿は高校時代と違い、大人の男を感じた。
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