先生、あなたに逢えて幸せでした


少し歩くと健太は一つのお墓の前で足を止めた。


『ここが伊室の墓だよ』


そう言い私に場所を譲ってくれた。


私は持って来た花をさし手を合わせ陽介に話しかけた。


『陽介。久しぶりだね。突然何も言わず消えた私を怒ってる?
ごめんね。あの頃はあれしか私には考え付かなかった。
今日はね陽介の娘を連れて来たよ。
名前は愛佳。陽介そっくりの顔立ちでしょ?
性格は私に似て負けず嫌い。
愛佳おいで。ママと一緒にここで手を合わせて』


愛佳は素直に私に近付き手を合わせた。


直ぐに立ち上がり健太に抱っこをせがむ。


健太は嫌な顔せず、笑顔で片手で持ち上げ愛佳を抱っこしてくれてる。


そして陽介に話し出した。

『伊室安心して寝ろよ。
俺が由佳と愛佳を守って行くから。
伊室以上に由佳を愛して伊室以上に愛佳を愛する。
だから安心しろ』


言い終わると私と愛佳を見てそして私に言った。



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