先生、あなたに逢えて幸せでした


『由佳って本当に料理出来たんだ!?』



そんな事を言いながら私の背中にピッタリと引っ付き出来たばかりのエビチリに手をつける。




まるで、後ろから抱きしめられてるみたいな形。



動揺しながらも私は料理を続ける。


『駄目ですよ!つまみ食いしちゃ!あと、から揚げだけだから、テレビでも見てて?』




『はいはい!由佳に嫌われたくないから大人しく待ってるよ』



軽く抱きしめられて先生はテレビのあるリビングに行った……





(嫌いになるわけ、ないじゃん………大好きで大好きでしょうがないのに早く忘れたいのに、でも側に居たくてしょうがないのに…)




心の中で呟いたこの言葉をきちんと、先生にこの時伝えていたら…………



私達の未来は違ったのかもしれないね…


ねぇ?…… 先生………



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