Jully〜あなたと夢を〜
「『ジュリー』じゃなくて、『研二さん』て言ったんだ…。」
「………。」
「お前も相当鈍いなぁ…。俺はでぶいけど…。」
そう言って、豪快に笑う。人通りがない駅前に店長の笑い声が鳴り響く。
「だから、おまえを1人の男として見てるって事だ。好きかどうかは別として。」
そう言って残ってたコーヒーを一気に飲み干す。
そしてそこまで言われてようやく気付く俺。
「最初はお前に、健児を重ねて見てたのかもしれない…。だからこそ、お前の名前を知ってケンジって呼びたくなかったのだろう…。とっさにジュリーって言った。」
「お前まだ朱美さんの事好きか?過去を聞いても愛せる自信あるか?」
「………。」
俺も残ってたコーヒーを飲み干し、少し考えた後答える。