Jully〜あなたと夢を〜

「肩に担いでるギターは飾りじゃないよね?ぜひ生で聴かせて欲しい。」


MDを渡そうとした時、社長がそう言った。
部屋には社長しか居なかったが、これで俺の運命が決まると思うと緊張した…。


大丈夫…いつもの様に弾けばいい…、歌えばいい…。
そう心の中で何度も繰り返し、ギターを鳴らした。




そしてあっという間に、2曲を歌い終えた。
自分でも驚くほど集中して弾けたし歌えた…。
…後は、黙って目をつむってる社長が気になる…。


「自分では、どっちの歌がいいと思う?ジュリー君。」


数分後、目を開けた社長は俺に向けて聞いてきた。
…どっちか…
迷う必要は無かった。


「どっちもです。」


そう答えた。
社長は確かにニコッと笑って、机の中から何やら書類を持って来た。



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