Jully〜あなたと夢を〜
「本当はあの曲で、デビューさせたかったんだが、今の2曲もよかったよ!」
そう言って、契約書と書かれた紙を差し出した。
「後日、そこに必要事項書いて、持ってきて!」
俺は震える手でその紙を受け取ると、何度も社長に向けて頭を下げた。
ようやく夢に向けて一歩進めた喜びと、安堵感で目に涙が浮かぶ。
何度も何度もお礼を言って、部屋を出た。
そんな俺を迷惑がらず、ニコニコして「頑張れよ!」と見送ってくれた。
それから急いで、コンビニに行って店長に報告。
店長は自分の事の様に喜んでくれた。
バイト時間になり、雪ちゃんも来ると大騒ぎ。
今の内にサインもらわなきゃとサインをねだる始末。
そしてバイト時間も終わり、深夜番が来るのを待って、3人で居酒屋に向かった。