Jully〜あなたと夢を〜
「よ〜し、2人とも行くぞ〜。」
深夜番が来て、店長がバックルームに顔を出す。
雪ちゃんと一緒に着替え、荷物をまとめる。
深夜番の人に軽く会釈をして、コンビニを出た。
外はどしゃ降り……
雪ちゃんと相合傘をして、店長の後ろを歩く。
「狭いけど、乗って!」
駅の駐車場に停めてある、軽自動車の前に着くとそう言って、後部座席のドアを開けてくれた。
傘を素早く閉じて、急いで乗り込む。車内にはCDやらMDが散乱している。
「…店長って割と音楽聞いてるんですね?」
車を走らせ、無言の車内に耐えかねたのか、雪ちゃんが散乱しているCD達を見ながら言った。
「…こう見えても昔はバンドマンだったんだぞ。」
雪ちゃんの質問に答えながら、鼻歌を歌う。