Jully〜あなたと夢を〜

雪ちゃんを送り終わり、再び車が動きだす。

店長はまた研二さんの曲を再生して聞き出した。


「いい曲だな、朱美さん。」

「……そうですね。」

「朱美さんもジュリーの事好きなんだろ?」

「……………。」



雨音も弱まり、カーステレオから流れる曲が私の心を締め付ける……。


「ジュリーも本意で言ったわけじゃない。そこを分かってやってくれ。」

「……はい。」


せっかく堪えてた涙が、また流れ出る…。

それからは2人共無言だった。
黙って研二さんの曲を何度も何度も繰り返し聞いていた。





「…店長、ここで大丈夫です。」


私の住むアパート近くのコンビニまで来た所で、降ろしてもらう。
すっかり雨はあがり、月がはっきり顔を出している。


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