Jully〜あなたと夢を〜
朱美さんのいないクリスマス
トゥルルル………
ガチャ
「はい、古俣です。」
「もしもし、母ちゃん?」
店長・雪ちゃんとの飲み会から一夜明け、実家に電話をかけた。
契約書の事を母ちゃんに話すと、やったね!と電話越しに拍手する母ちゃん。
あんなに反対してたのに今では良き理解者で、ファン第一号を自負している。
さんざん父親の愚痴を言った後、今度彼女と一緒に実家に顔出すんだよ!と言って電話は切れた。
彼女とか……
……いつ帰れることやら
それはさておき、携帯を横に置いて、契約書に目を通し必要事項を記入していく……。
最後に自分の名前を書き入れ、ハンコを押す。
これでよし……
自分の名前が入った契約書を見て顔がにやける。
ようやくスタートラインだ。
封筒に丁寧にしまってカバンに入れ、ギターを持って家を出た。