Jully〜あなたと夢を〜

「「何でもないよ」」

「何でもない〜?」


店長の声とハモる。
それがかえって怪しさを増したらしく、雪ちゃんは目を細めて俺と店長を交互に睨む。

レジで雪ちゃんから足元が見えない事をいいことに、店長が俺の足を踏む。


─痛ってぇ〜〜!


店長の体重が俺の右足に乗る。
必死に痛みに堪えながらも作り笑顔を絶やさない。


「…あっ雪ちゃん、ジュースの補充お願い!」


未だ怪しむ雪ちゃんに、店長が補充のお願い。
ゆっくりレジから離れ、補充に行く雪ちゃん。
その間も何度かレジの俺達をチラ見。



「…ジュリー君、後で覚えておけよ。」

「…店長が急に告白だなんて言うから悪いんですよ。」


2人で薄気味悪い笑みを浮かべ、チラ見する雪ちゃんに手を振りながら、小声で口論。



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