Jully〜あなたと夢を〜
「……そう怒るなよジュリー!」
「……別に怒ってませんけど。」
お開きとなってバーを出た俺達は、すでに明るくなった駅前を3人で歩いていた。
「…ごめんね、ジュリー。」
今度は雪ちゃんが謝る。
別に気にしてないのに、2人にこうも謝れると逆に申し訳ない気持ちになる……。
ただ今日のこれからのレコーディングの事で頭がいっぱいで、難しい顔をしてるのがどうやら怒って見えるらしい。
帰り際ママは、大丈夫いつも通り歌えばイイの録れるから!なんとかなるさ!そう言ってくれた。
俺も早くレコーディングがしたかったのに、いざ決定してみると急に緊張してきた…。
始発までもうしばらくある為、俺はあの場所に向かった。
俺の原点の場所。
そこで気持ちを落ち着かせる為に、そして健児さんに報告する為に。