Jully〜あなたと夢を〜

2人は黙って俺の後をついて来る。


いつもの場所に着いて手を合わせ、健児さんに報告をする。

今日レコーディングします。
あなたのお陰でここまで来れました。
あなたの分も頑張ります……と。


そしてギターを手にし、健児さんに宛てて自分の歌を歌った。
誰も居ない駅前、俺の歌が澄んだ空気に乗って響いた。




その様子を後ろのベンチで座りながら眺めていた2人は、歌い終わると近付いて来て、頑張れよと店長が肩を叩く。

顔を上げると雪ちゃんもファイトとガッツポーズ。



その瞬間、気のせいか“頑張れよ”と健児さんの声が聞こえたような気がした。


俺は目線を空に移し、健児さんに向かって力強く答えた。



“俺、頑張ります!”と………







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