Jully〜あなたと夢を〜

トイレから戻って来た店長の髪型は、さっきまでのボサボサ頭と違い、ワックスできちんとなっていた。


…あらあら


「さて聞いてみるか!」


何食わぬ顔でデカ椅子に腰を下ろし、ようやくCDをセットする。
ここまで20分かかった…。




CDが回るのを止め、曲が終わると同時に店長が呟く。


「こりゃ売れるな……」

「本当すか!?」

「ジャケットいいもん♪」

「…………。」



そう言ってさらに大きくなったであろうお腹を叩きながら、ケラケラ笑う。


「それは冗談として、いい出来だ!頑張れよ!期待の新人さん!」


そう言って店内に戻って行く。
店長に誉められ気分を良くした俺は、雪ちゃんが来る迄CDを聞き続けた。




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