Jully〜あなたと夢を〜
リクエスト
「朱美さん、ちょっといいかな?」
「はい…。」
何だろ……?
ディレクターに呼ばれ、私は会議室に向かう。
みんなの元を離れて1年が過ぎた……。
私は隣の市に引っ越して、1人暮らしを続けていた。
隣の市にしたのは、私の研二さんに対する想いからくる甘え………。
もしかしたら…偶然会うんじゃないか、見つけてくれるんじゃないかって……。
自分から去っておきながら、何してるんだろ…何考えてるんだろって思う。
バカみたいって……
そう思って、研二さんのMDを聞いては泣く……。
そんな毎日が当分続いた。
半年過ぎてクリスマスになっても、健児にも研二さんにも会う勇気が無く、部屋で1人泣いていた。
そしてお正月、実家に挨拶に行った私に父が言った。
ラジオ局のアシスタントやらないか?