Jully〜あなたと夢を〜
「…私なんか変な事言っちゃいましたかね?」
小声で申し訳なさそうに言う朱美さん。
「明日からジュリーな」
三人で店を出るときまで、店長が念を押す。
「勝手にしやがれ!」
捨て台詞を吐いて、駅に向かう。
駅に向かう途中も、2人はずっと喋っていた。短い時間だったけど、すっかり意気投合したみたい。
雪ちゃん、朱美さんとは行き先が逆だから改札口でお別れ。
「雪ちゃんまた明日。朱美さんもよかったらまた聞きに来て下さい。」
そう言うと、2人は声を合わせ、
「また明日〜バイバイジュリー〜」
そう言って、階段を駆け上がっていった。
ジュリーねぇ………。
2人が元気に階段を上ってく姿を見ながら、少しため息まじりにそう呟き、帰りの電車に乗り込んだ。